短編面白昔ばなし集

「マッチはいかがですか？１箱１００円ですマッチはいかがですか？」

　少女が一生懸命売り込みをする

　父親が病に倒れ２か月がたち少女がマッチ売りを始めて
　丁度２か月半たったある日のことである

「マッチをくれ！！何個ある！？」

　少女の言葉に突然慌てた様子で駆け寄るおじさん

「はい、今日は５００個ほどあります」

　少女がいう

「何！？じゃあ１００個くれ！！１個２００円でいいから！！」

　そういうと２万を少女に差し出すおじさん

「え？１個１００円ですが？」

　少女が困惑した顔で言う

「いいからいいから！！」

　そういうと強引に少女に2万円を握らせるおじさん

「ありがとうございます」

　少女は困惑した顔でお礼を言いお金を受け取り
　マッチを渡す

　しばらくして少女は家に帰る

「お父さん！！聞いて！今日はマッチが１００個売れたの！しかも
　１個２００円で買ってくれたの！！」

　少女が父親に話す

「おお！それはありがたい！世の中にはいい人がたくさんいるんだな？」

　父親は感心しながら返す

　次の日いつものようにマッチを売りに出る少女
　しかし１０００個持って行ったマッチがあっという間に売れてしまったのだ
　少女は帰り道にもようしたので家電量販店に入りようを足すことにしたのだ
　ようを足した後偶然テレビのニュースが目に入ったのである

「ええ！この前の大規模な地震と火山の噴火によりガスの供給が
　ストップし今市場からライターやマッチやガスボンベ等が
　品薄になり入手困難になっています！皆様！どうか見かけても
　買いだめをしないようにしてください！」

　ニュースキャスターが画面越しに話す

「・・・・・・・」

　少女はそのニュースを見て無言で家に帰る

　少女の家はとても貧乏なのでテレビが家に無く
　携帯も持っていなく世間の情報から遮断されているのである