君に裁きの鉄槌を
19_椎名岬
………あれから2年、時がたった。
岬、基由姫菜は病院に入院している。
麗華は芸能活動を休止し、岬の看病に努めていた。
サッカー部の面々も、各々の夢をかなえるために頑張っている。
そして、一番狂っているのは由姫菜だった。あの日から何かを拒絶するように起きるのを控え、いつも寝て。
病院で診察された後、由姫菜は多重人格障害だと診断された。だが、岬はあの日以来姿どころか面影をも見せていない。
だが、サッカー部の誰かが起きているときに面会すると、由姫菜は狂ったように泣き叫び病室を荒らした。
彼女にとって、もう彼らはトラウマだった。
彼らがもう一度会うことを願った彼女は、もう崩れて崩壊していた。
髪の毛は伸び、岬の白髪は地毛ではないので毛の先の方が白くなっていた。
誰かが切ろうとしても、拒絶をして。
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