君に裁きの鉄槌を









秋「義父…?」

岬『……そう、今の由姫菜の父



  早乙女丈一郎だ。』

秋「…早乙女って…あの、早乙女グループの?」

岬『そう




  僕はね、由姫菜の本当の父だよ』







麗華が、服をギュと強く握った。








岬『椎名岬。それは由姫菜の父の芸名なんだ。


  僕はメイクアップアーティストでね?由姫菜も僕を憧れて頑張ってくれてた。



  僕の本名は七瀬岬。



  だけど、僕は不慮の事故にあって…死んだ。


  昔由姫菜は心臓を患っていてね?


  だから、心臓を由姫菜に移植するよう丈一郎に頼んだ。




  たまにこんな話を聞かないかい?

  "心臓を移植してもらったあと、その人の趣向が変わったり、人格が変わったりする"



  と』

宮「…玲衣、そうなの?」

氷「…あぁ、まれにそのような例があると聞く」


岬『いやあ、その例に当てはまってしまったようでね?


  僕は由姫菜の中でひっそり生きていた』









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