君に裁きの鉄槌を
岬『……麗華』
麗「…何?」
岬『苦労を、かけてしまったね…』
麗「…、いいのよ、だって…貴方も大切な人だもの」
そうして麗華は笑う。すると、岬は麗華の頬を触った。
岬『……君は本当に…優衣に似ているね…』
麗「!!!!」
岬『由姫菜と…仲良くしてくれて…ありがとう…』
それだけ伝えると、岬は眠りについた。
麗華の瞳からは涙がぼろぼろとこぼれ落ちていった。
…麗華と由姫菜は、実は異父兄弟なのだ。
でも、その事実を知っているのは麗華だけ。
そして母の名前は優衣。
麗華は幼いころ施設に預けられていた。母が昔不倫した人との間にできた子供。
捨てられたことに対してショックを受けて寝込んだ母。母は自分が育てられる状態になるまで、と施設に預けた。
面会に来るたびに、一緒に暮らせるように頑張ってるからねと言われて、毎月毎月手紙も来た。
そして、新しいパパと妹ができたことを知った。そして4人で暮らそうと7歳のころに言われた。入っていた写真の中に映る妹"由姫菜ちゃん"は可愛くて。
次に迎えに行くときには一緒に行こうといわれた。
だが、それから母は来なかった。
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