君に裁きの鉄槌を
20_最後の時
そしてその日はとても穏やかに幕を開けた。
麗華はいつもの時間に家を出、病院に向かった。
この時間は、いつも由姫菜は寝ている。だから、ノックもせずに扉を開けた。
ガラガラ…ッ
麗「…!!
ゆき…な…??」
由『あ、麗華ー。おはよ』
由姫菜はいつも寝ている体を起こし、座って本を読んでいた。
由『麗華ー、私ね、髪の毛切ろうと思うの』
麗「え、あ、うん」
由『手伝って、くれる?』
麗「も、もちろん」
思考がついていかなかった。昨日まで起きても宙を見つめていた由姫菜が、起きて普通に会話をしている。
嬉しいけど、嬉しいけど…。
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