君に裁きの鉄槌を













由『でも、あの恰好のまま死にたくないわ。


  だから、最愛の"家族"に綺麗にしてもらって



  苦しめた"復讐相手"と楽しんで



  もう悔いはない


  私がこの世界にいる意味は消えた』








月明かりが彼女を照らす。いつの間にか、後ろにほかの人たちもいた。医者たちもその光景に釘づけて、動けない。








そして、玲衣は由姫菜の心に向けて叫んだ。











氷「岬!!!!

  椎名岬!!

  いるんだろ!?出てこい!!!」

由『!!!…うッ』






クラッとした体で、フェンスをつかむ。そして、表情が"岬に変わる"








岬『…氷狩…ッ』

氷「お前、娘死なせていいのか?!


  戻ってこい!!」







そう叫ぶ玲衣は冷静ではない。いつもの彼ではなかった。








岬『戻りたい…気持ちは、山々なんだ…けど、ね…ッ


  由姫菜の気持ちが強すぎて…指先しか動かせな…うぐ…』







そうしてフェンスをまたつかんで体制を戻した。










由『…岬を呼ばないで…イライラするのよ…』










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