君に裁きの鉄槌を
05_君と僕と私
今日は仕事や予定がなかったので、部活に行くことにした。
『こんにちわー』
秋「…やっと来たと思ったら入部して何日目だ、あぁ?」
『僕にも予定があるもので。
すいませーん』
秋「俺達はテメェに聞きたいことが山ほどあるんだ」
ドアを開けたら、部室の真ん中にあるソファや椅子に座っているサッカー部のメンバー。
今日も何故か花恋はいなかった。
『そうですか。ですが、僕には全くと言って良いほど貴方達に話すことはないですよ』
てきぱきと話しながら、部室の中で着替え始める僕。
制服の下に体操服を着ているから、皆の前で着替えても平気だ。
秋「…椎名。
由姫菜…、由姫菜は…
元気、か?」
小さく息を吐く音が聞こえる。
僕は一度動きを止め、そして動きだし、体操服の上にジャージを着る。
実「おい!人の質問に答えろよ…ッ!
由姫菜は、由姫菜はどうなんだよ!」
『………今さらどの面下げてその言葉を発する?』
実「ッ!!」
『ここで僕が由姫菜は元気だと言えば良いんですか?
貴方達には今更関係ないでしょう』
東「関係無くなんか…ッ、俺達は…!」
『仲間…、そう言いたいんですか?
よくもそんな台詞を軽々しく口から出せますね?
由姫菜をあっさりと捨てて壊したくせに。
その言葉が今、由姫菜をどれ程苦しめてるかわかりますか?
今の由姫菜にはそんなの足枷にしかならない、
"邪魔なもの"なんですよ。
貴方達が考えている程、由姫菜の状況は軽いものじゃない』
それだけ吐き出し僕は部室を出た。
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