君に裁きの鉄槌を
キャァキャァと騒ぐ女子たち。
僕は笑みを返しながら校舎へ進んでいく。
きっと、僕達がレギュラーになったから、こんなに騒がれてんだろうな。
狂ったように笑っていたのも、こいつらにとっては勝って爽やかに笑っていたにしか見えなかったのだろう。
女1「椎名様ぁッ!
昨日はとても素敵でしたわ!」
女2「レギュラーおめでとうございます!」
『ありがとう』
顔を赤く染めて騒ぐ女子。
僕はまた歩みを進めた。
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澤「岬ぃ…ッ、私…正レギュラーのマネージャーで良いんだよねぇ?」
『?』
澤「さっきぃ、秋本君に会ったときに私が準の…元レギュラーのマネージャーって聞いたからぁ…」
『どうしてレギュラーのマネージャーが良いの?』
澤「…ッ、いや、レギュラーは大変でしょぉ?
準よりも、練習量とか増えるしさぁ…
だから、私が力になれたらなって思ってぇ…」
顔を赤くして俯きながら言葉を紡ぐ花恋。僕は笑みを浮かべて花恋を見る。
花恋は、僕に断られるなど微塵も思っていないんだ
『…クスクス、悪いけど断るよ』
澤「へ…?」
『マネージャーが準になってもらうって言ったのも事実。
てかそれ僕が言ったしね』
澤「どう…して?」
『どうして…?よくそんなことが言えるね。
準レギュラーはマネージャーのいない生活になれているんだ。
今更いなくても平気。
でも必要かと思ってマネージャーは君の他に雇ったし』
澤「…ッ」
花恋は目に涙を溜めて俯く。
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