君に裁きの鉄槌を
麗華はふわりと笑う。
川崎も嬉しそうに笑い、帽子をカバンにしまい込んだ。
『じゃぁ、練習始めましょうか?』
柚「…あぁ、そうだな」
僕たちが立ち上がると、麗華に歩み寄る人影が一つ。
澤「麗華ちゃぁーん、私マネージャーの吉澤花恋。
今からマネージャーのお仕事、花恋が教えてあげるね?」
麗「…?ありがとう」
花恋は麗華の横に並び、ニヤッと笑った。
クスクス、
君が、麗華に勝てるわけないでしょ?
僕は部室を出て伸びをした。
後ろから、柚木崎が不安そうに話しかけてくる。
柚「…ねえ、」
『ん?何?』
柚「棚秦さんと…吉澤花恋…一緒にしてて平気なの?」
『どうゆうこと?』
柚「俺は実際見てないから知らないんだけどさ、七瀬…吉澤花恋に苛められたって…」
『だから、由姫菜のようにならないように…?
フフッ、柚木崎は優しいね?』
柚「…おちょくってんの?」
不機嫌そうな顔で僕を見る柚木崎。
僕は妖笑を返した。
『…フフッ!!
麗華が花恋に負けるわけないでしょ??』
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