君に裁きの鉄槌を








頭がずくずく痛む。


何だろう、私は何かを忘れたのかな?













〔……か〕

















頭の中に響く声。


私は必死に記憶を遡らせる。


















































行為が終わった後、ぼうっとする頭で只一点を見つめていた。


これが初めてじゃなくてよかった。
初めてが暴行なんて…やっていけない。














?〔…また、か〕

?〔……あぁ〕

















後悔するような声。
でも私にはそれを怒る気力も、咎める勇気もなかった。

















?〔……な、流夏〕

流〔ちょ…悠斗…ッ!!名前出すなよ〕

悠〔お前もだろ…な、佳悟〕

佳〔わざと、か?

  もしかしてお前、……んじゃ……か…〕


























記憶の海から解放された私は、目を見開いた。
















『…う…そ』

















口元に置いた手は震え、私は頭を抱える。




現実でなくてほしい、そう思うけど、声は頭の中で合致する。
















『…んなこと……こんなコトって…!!!!!!』
























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