君に裁きの鉄槌を
物で縛ると言うのは案外あっけないものだ。
物が壊れれば思いも壊れる。それが好意等ではないならば。
花恋は、体が急激に冷めていくのを感じていた。ただただ目の前の光景に唖然とし、目を見開いて固まるだけ。
だけど、自分の立場を思い出して笑いだす。そう。私は貴女達の会社を潰せる力を持っている。
澤「クスクスクス…ッ
フフッ!あははははははッ!
貴女たち、私にこんなことして良いと思ってるの!?
貴女の会社…潰すわよ?」
右手で潰す仕草をする。
でも
怯えたり、怯んだりする表情を見せる人はいなかった。
その様子に、花恋が怯む。
優「花恋」
澤「な…ッ、なによ…ッ!」
優「貴女の時代は、終わったの」
ニヒルな笑みを浮かべる優子。
花恋は一歩後ずさる。
澤「なんで…ッ」
優「貴女より、大きな力に…私たちは守られてるの。
私たちに仕返しでもすれば、貴女の会社が…潰れるわよ?」
"守られてるの。"
花恋の中では優子と麗華が重なっていた。
大きな力?
私にできないことなんてあるの?
初めての挫折。
花恋は強く拳を握った。
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