君に裁きの鉄槌を
11_一人の女









柚「…岬?」

『なんだよ?』

柚「お前、なんかあったの?」

『…は?』







僕は柚木崎の顔を、怪訝そうな目で見つめた。


柚木崎は、頬をかいて僕を見る。










岬「いや…なんか、嬉しそう…っていうか楽しそうな顔してたから、さ」








僕は目を見開き、柚木崎から視線をそらし笑いだす。








柚「…岬?」

『クスクスッ…あぁ。楽しいことがあったんだ』

柚「ふーん?

  …なあ、マネージャー…どうしたんだ?お前同じクラスだろ?」

『あ?…あぁ、今更今までの報復を受けてるんだ』

柚「今更…か。

  まあ…仕方ねえな。
  それに、庇う理由も俺たちにはねぇし」









柚木崎の言葉に、僕は笑みを隠しきれなかった。

そうだよ。


君たちには彼女を守る理由も、彼女を助ける意味もない。


僕は少し出してしまった笑みを隠し、柚木崎を見つめた。










『柚木崎…』

柚「俺は…いや、あくまでも準レギュの俺たちは…











       七瀬の味方 だから」





















        時は     満ちた





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