君に裁きの鉄槌を







目をつぶっているため、目の前の奴の行動が見えない。



突然触れられたので、岬はつい声を出してしまった。








頬に触れた手は強ばり、だが頬にまだ触れている。








こいつは、誰だ
何がしたい








混乱して、どうしようかと悩む。

だが、そのとき。










何かが唇に触れた。





柔らかいもの

そして…温かい。






もしかして…



















…キス??














一つの結論にたどり着いた瞬間に、岬は目を見開いた。









そして、上に乗っている人を突き放す。





口に手をあて体を起こし、壁に寄りかかる。








『な…な…!!』











岬は取り乱して、岬になることを忘れていた。

そう、今の岬はただの由姫菜。

由姫菜になってしまっている。






そして由姫菜は自分が突き放した人間を見て、驚愕に顔をひきつらせた。








『れ…玲衣…??』

氷「…由姫…菜…??」
























.

< 82 / 163 >

この作品をシェア

pagetop