君に裁きの鉄槌を
13_消失









岬は学校に行く途中に車の中で、目をつぶって瞑想していた。




昨日は色々取り乱してしまったが、今日からまた何事もなかったように接するつもりだ。
それに、昨日の一件から僕はまた復讐心を燃え上がらせられたのだ。





由姫菜が好きなどと、甘いことを抜かした玲衣に。

まだ、由姫菜を仲間と縛り付けるあいつらに。






たくさんたくさん、復讐を遂げたい。










岬は目を明けて前を見る。

胸の奥にぽっかりと穴が空いた気がしているが、そんなことはとうに忘れてじっと見つめ続けた。























学校につけばいつもと変わらぬ風景、人、歓声が広がる。



すべてを引き付けながら歩くと、目の前に見覚えのある人がいた。









『光太?』

若「…っ、椎名」










目の前に栗色でふわふわな、見覚えのある髪の毛をした男を見つけ声をかけると光太だった。僕は笑顔で会話を始めた。










『久しぶりだね、元気??』

若「…ははっ、お前は相変わらず変わらないな。」









力なく笑う光太。


でもなぜか、瞳の奥に強い光が宿っていた。
























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