君に裁きの鉄槌を









撮影が始まる前だからか、少しざわざわしているスタジオ内。僕はすれ違う人たちに挨拶を交わし、1つの部屋の前で止まる。










川「ここが棚秦さんの楽屋?」

『楽屋っていうか…メイクルーム?まあいいや。



 …麗華?入るよ』









ノックをすると中から応答の声。部屋に入ると、麗華は雑誌を読んでいた。










麗「…遅い」

『ごめんねー…っと、今読んでるそれが今日の撮影のやつ?』

麗「そう。私、Feliceの専属モデルでしょう?
  新商品のポスターの撮影だって」













麗華と話しながら僕は動きやすい服装に着替えていく。今日は中にTシャツを着ていたから、制服のズボンにTシャツだ。

ちなみにFelice[フェリーチェ]とは、今売れていると言う化粧品のブランド名だ。外装は可愛いしモデルは麗華だし。だから売れているのだろう。Feliceとはイタリア語で幸せという意味らしい。


その様子を、全員が遠巻きに見つめる。










『Feliceの新商品は?』

麗「そこにおいてある。相変わらず外装は可愛いし、私も一般人だったらほしくなるわね。」

『ふーん……あ、皆さん適当にそこら辺に座っていいですよ』

川「あ…、おう!」
























.
< 96 / 163 >

この作品をシェア

pagetop