ハイテンションガール
我ながら
もっと乙女チックな声で
叫べないのかと思う。
こんな声
お母さんに聞かれていたら
しこたま言われるんだと思う。
「茜は自覚が足りないのよ。」
なんてね。
「…おい。」
「えっ!?」
アタシは咄嗟に顔を上げた。
転んだアタシを上から見下ろすのは
黒い髪、黒い瞳をした、
180cmはありそうな長身の
アタシの通ってる高校の制服を
着ている男だった。
その黒い瞳には
…光が見えない。