ハイテンションガール
──ガラガラッ
教室にはまだ人はあまり
集まっていない。
アタシは1年生のとき
窓側の1番後ろの席を
キープしていた。
あの席はポカポカ小春日和には
絶好のお昼寝場所になるから。
もちろんこれからも
あの席はアタシの席……
とはいかなかった。
「わっ!先客かぁ。ちぇ~っ」
その席にはすでに男が座っていて
机に突伏していた。
分かる。すっごい分かるよお兄さん。
今日とかめっちゃポカポカだし、
気持ちいいよね~
…って、あれ?
あの黒髪は
もしかして、もしかすると…。
アタシはゆっくりと
その男に近付いた。
いや~
まさかね~
と思いながら、
寝ている彼の顔を覗いてみると…
その顔はまぎれもなく―――
―――今朝アタシとぶつかった、
あの男だった。