君とのキョリ
話をするたび

奈勇に引き込まれてくのが

自分でも分かってた

もっともっと奈勇に

引き込まれたくて

奈勇の隣に居たいと思うようになった



"奈勇が好き"

自分の気持ちに気づくのに

時間はかからなかった。









『奈勇って福耳だね!!』

「触ってみる…?」

『えっ、いいの!?』


「1回千円。」


『もういいっ!!』


「うそうそ!ほらっ、触れよ…」



私のすねた顔を見て

慌てて耳を触らせる奈勇。


毎日これの繰り返し。



奈勇に触れたくて

奈勇の慌てた顔を見たくて

わざとすねてみせてた…

奈勇の隣にいるために

私なりに考えた作戦。


「幸福の耳だよな…」

奈勇はいつも呟いてた

意味はわからなかったけど

私にとって奈勇の耳は

奈勇と私をつなぐ

"幸福の耳"だった…
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