人間姫
プロローグ
遠い遠いむかし……。
深い海の底には人魚の王国がありました。
人魚の王は6人の娘を大事に育てていました。
今日はその末の姫の15歳の誕生日。
昇っていった海の上で船の上にいる美しい人間の王子を目にします。
しかしその船は嵐に遭い難破してしまいました。
溺死寸前の王子を救い出した姫でしたが、王子に恋心を抱いてしまいます。
そして、その透き通った歌声で綺麗なメロディーを奏でました。
その後偶然通りがかった娘が王子を見つけて介抱したため、姫は出る幕がなくなってしまいました。
人魚は人間の前に姿を現してはいけないという決まりかあったのです。
けれども姫は、どうしても自分が王子を救ったことを伝えたいと思っていました。