辻斬り
「ちきしょう。呪いのせいに何でもかんでも、しやがって……」

恐怖を鎮め、赤田から逃れ、村に向かう戎徒は今見たものを忘れようと努めた。
響いた銃声はいまだ意識にこびりつく。
傷口はなぜか出血を止め、痛みも和らいでいた。
怒りと恐怖で、そんなものは吹っ飛んだ、そう思いたかった。
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