辻斬り
「——課題は?」
「えみ、これ緊急事態だから。教授には事情話して別の課題をって事で――」
「そんな言い訳が通用する人か?」

紀伊が冷たく言い放つ。
でもめぐみは怯まない。
課題よりも、生きることが先決だ。

「どんなに課題をこなそうとね、死んだら元も子もないわよ。ほら、えみ、まなみも行こうよ」
「――本気かよ」

鴻上は呆れるしかなかった。

——自殺行為だぞ。
そう何度も訴えた。
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