辻斬り
光にうっすらと現れたもの、それは変わり果てたまなみの姿だった。
顔は口を丸く開けたまま、頬のえくぼの辺りにうっすらと血の滴った跡が残り胸元は深く切りつけられたのか、血の赤がいまだ鮮やかに輝く。
それ以上はもう見つめられない。

――もうこんなところいれない。その場を後にしようとしたとき。

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