辻斬り

戎徒の体はすっかり黒ずんでいた。
赤田の方を見つめ、改めて変化に恐れを抱いた。

(俺も、もうああなるしかないのか……)

「なんだよお前、俺はお前と一緒に助かりたかったのにぃ……」
「それは無理だ。お前は、ここで死ななければならない。霧が、そう教えてくれる」
耳鳴りがする。赤田はそれがこの地からわき上がる怨念のように聞こえた。
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