辻斬り
戦国のその昔、この村は公家などから謀殺を請け負う闇の民たちの集う場だった。仏教的な観点からこのような山奥に追いやられ、ひそかに暮らすしかなかった。穢れの民とも呼ばれた。
ただそんな穢れを多く背負う民は、世にうかがい知れぬ病とも呪いとも知れぬ代物と常に対峙していた。彼らに治癒を施すといった知識は与えられず、そのような形で忌み消すしか術がなかった。
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