辻斬り
「灘さん!」
あゆみが駆け寄るも、灘はもう絶え絶えの息だった。
銃弾を受けていた。これではおそらく致命傷に繋がる。
「出来なきゃよお、もう逃げろ……赤田一人ここに残してしまえば、お前らは殺されずにすむ……」
「どういう意味だ、それは?」
「こういう意味だよ」
背後から違う声がした。
あゆみが駆け寄る。
「ああ! おまわりさん、見てみんな、助けが来たのよ。お願い、早く助けてくださ……」
「離れろ、あゆみ」
鴻上が声を荒げる。
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