辻斬り
「入りたくないなあ……うっかり踏んだら、罰当たりそう」
墓標を覆う茂みを掻き分け、鴻上は灘の家の墓を探す。
目印は、丸で囲われた三角のしるし。
墓標に手を触れ、しばらくしらしい感触を見つけた。
「……あった」
灘の先祖の墓を発見すると鴻上は長い年月に溜まった砂埃を落とし、納骨室の石扉に手をかけた。そしてそれをおもむろに開ける。
納骨室の中には古びた槍が収められていた。
これこそが、兵吉を刺し貫いた槍――鴻上は直感した。
「これが、兵吉を殺した槍?」
「おそらくな。これであの霧の化物が鎮まるとも思えないが……」
「本当に刺すの? そんなこと……」
刹那の決意がよぎった時だった。
墓標を覆う茂みを掻き分け、鴻上は灘の家の墓を探す。
目印は、丸で囲われた三角のしるし。
墓標に手を触れ、しばらくしらしい感触を見つけた。
「……あった」
灘の先祖の墓を発見すると鴻上は長い年月に溜まった砂埃を落とし、納骨室の石扉に手をかけた。そしてそれをおもむろに開ける。
納骨室の中には古びた槍が収められていた。
これこそが、兵吉を刺し貫いた槍――鴻上は直感した。
「これが、兵吉を殺した槍?」
「おそらくな。これであの霧の化物が鎮まるとも思えないが……」
「本当に刺すの? そんなこと……」
刹那の決意がよぎった時だった。