辻斬り
「ただなすがままにあなたたちについてきた私、あなたの妹を見殺しにした私、いつ死んでも当然な私……」
あゆみは知っていた。紀伊があの子の兄だということを。紀伊を見つめ、懺悔した。崩れていき霧に飲まれていくあゆみ。
「あゆみ!」
鴻上の叫びもむなしく、堕ちていくしかなかった。
「……!」
何かが手を引いた気がした。
誰の手か分からないままに、墓場から森へと引きずられていった。
森の中では烏合の鬼がひしめくが、なりふり構わず引きずられていく。
何もないところまで、どこまでも、どこまでも。
あゆみは知っていた。紀伊があの子の兄だということを。紀伊を見つめ、懺悔した。崩れていき霧に飲まれていくあゆみ。
「あゆみ!」
鴻上の叫びもむなしく、堕ちていくしかなかった。
「……!」
何かが手を引いた気がした。
誰の手か分からないままに、墓場から森へと引きずられていった。
森の中では烏合の鬼がひしめくが、なりふり構わず引きずられていく。
何もないところまで、どこまでも、どこまでも。