辻斬り
- 2 -


午後6時過ぎ、夕飯の支度が整い再び一同が集う。
それぞれ勝手に飯を取り、無言で食事を取る。
くつろぐという言葉とはまったく無縁の光景。
せっかくのキャンプだというのに、ここに楽しさのひとかけらも無い。
正直、晩秋のこんな寒空の中では仕方の無い話だろうが。
まきをくべるしか暖を取る術がなく、手持ちのカイロは、かじかむ手を押さえるしか効力を持たない。

寒さとの格闘だった。だが雪が降らないだけまだましだ。
< 38 / 245 >

この作品をシェア

pagetop