辻斬り
騒ぎを聞きつけ現れた紀伊が死体の奇妙なポイントに気づくのはその直後だった。

「これは……?」

縛られた美保の左手に握られたそれを紀伊は取り出した。
携帯電話だった。

「もしかして……」

めぐみは腰をついたままおののいた。
紀伊は気になり画面を見た。
携帯の画面は「/」の文字が表示されたままフリーズしていた。
ガチャガチャと何度繰り返しボタンを押し動かしても、それ以外の画面には変わらない。

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