辻斬り
「ここはな、如何ヶ峰って言う山でこの時間には深い霧に覆われて誰一人近づけない。いやないい伝えも残っていて、こんな夜になるとここは黄泉と繋がり、死体を霧の中へ包み隠してしまう辻斬鬼(つじきりおぬ)というものがいる」
「辻斬鬼……」
「俺たちが送られるはずだった刑務所もこの霧のおかげで脱走者が0だった。切り立った崖に足を取られて奈落に落ちた脱走者もいたからな」
「詳しいな」
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