可愛くなりたい
すると洸は僕の右手首を
握った。
「……っ!!」
洸は優しく握ってくれたはずなのに
僕は痛さに耐えきれず
顔をしかめた。
「ほらな?
やっぱり怪我してた」
「な、なんで……」
洸の奴、
なんで分かったんだ!?
僕が不思議に洸を
見つめていると……
「体育の時、
あんだけ痛がってたら
分かるから。幼なじみだし」
そう言って
まじまじと僕の右手首を見て
「腫れてるな」と
呟いた。
「これくらい大丈夫だよ。
だって僕は……
男子みたいに強いから」
そう言って
僕は軽く笑ってみせた。