添い寝執事


冗談交じりに言ってみると、虎太郎は静かに目を閉じていった。


「38度2分…熱ありますよ。何故、黙っておられたのですか? 酷くなったらどうするのです?」


38度2分……

微熱どころじゃないじゃん!!


思いがけない高さに、自分でもビックリする。



「怠いだけだし…熱があるとは思わなかったの」


「まぁ、とにかく寝てください。私はここにおりますので」



虎太郎はそう静かに言うと、ベッドの隣にある椅子に座った。

傍にいてくれるみたい。


……なんか、犬みたいで可愛いな。


ちょこんとすわる虎太郎が可愛くて、笑みがこぼれる。



「ねぇ? 虎太郎…手、握ってよ。あたしが眠るまででいいから」



小さい頃……

よく、風邪をひいたときには、お母様に手を握ってもらっていた。


それだけで安心するし、

重い体が軽くなる気がするのだ。



精神安定剤みたいなものなのかな?





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