添い寝執事
「怖いんなら、ちゃんと言えよ」
執事失格の汚い口調。
まったく、要は……
そう、注意しようと思ったのもいなや…
「ちょ……っ! ちょっと…!!!」
あたしの布団に入り込んできた要。
要の体温にドキドキと鼓動が高まっていく。
聞こえてしまうんじゃないかってくらい……
身体中を支配する心臓の音。
ここまでされたことはなかったから尚更。
慌てて要に背を向けて耳をふさぐ。
相変わらず恐怖心を煽る大きな音。
そして……
布団の中には、頭の上で手を組み、優雅にくつろぐ要。
夢であって欲しい。
……とんだ悪夢だわ。