俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「え、何か言ってたんですか?」
そう返すと、彼はハァとため息を吐いた。
「……もういいよ。
っていうかその髪色思い切りましたねー
今まで染めた事無いでしょう?」
「愛の力ですよ!お揃いですよ!
……あれ、何で染めた事無いって
知ってるんですか?」
この人は、高校時代を
お祖父さんの家で過ごしていたらしく、
実家であるこの場所に戻ってきたのは去年の事だ。
その時、一緒に引っ越してきたアンナが
あまりにも美しく俺が一目惚れしたのだ。
「いや、だって高校入る前は
こっちに居ましたし、入学してからも
時々帰ってきてましたからね。
……貴方の視界には
まったく入っていなかったようですが」
「……アンナも一緒に帰って来ていれば」
もっと早くに出逢えていたのに。
彼女と、それからこの恋心に!
と、言おうとすると、
その前に島津さんはまたキレた。