俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「ああ、そうですね。
これどうぞ」
そう言って島津さんは紙袋を差し出した。
「ありがとうございます」
「箱のはお菓子なんで、ご家族でどうぞ」
「全員甘いもの好きなんで、
ありがたくいただきますね」
「あと袋の方は貴方にですから」
紙袋の中を覗き込むと、
箱と、口を閉じられた紙袋が見えた。
「ありがとうございますー何だろ」
「アンナとお揃いですよ」
軽くドヤ顔をしている島津さん。
「本当ですか?!
ありがとうございます!!」
思いっきり喜ぶと、彼は微妙な顔をした。
渡したお土産に喜ばれて、
一体何が不満だというのだろうか。
「アンナ!お揃いだって!……って」
そうだ、彼女はさっきお姉さんと
家の中に入ったんだった。
きっと、2人でガールズトーク
なるものをしているんだろう。
女子会開催中でも可。
「……喜びの表現で抱きつく相手がっ
いませんでしたっ!」
恥ずかしい!
ので、とりあえず照れ笑いを浮かべる。
「俺に抱きついてもいいですよ」
「……え?!」
軽く両腕を広げている島津さん。
なんだ、この状況。
それにこの人、こんなキャラだったっけ?