俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「えー、えー……」
「アンナ代わりに、さあどうぞ?」
そんな事言われても、困る。
戸惑っていると、島津さんが言った。
「……貴方、アンナが居ないと
本当に普通の人ですよね」
「俺は常に常識人です!」
「ありえないから」
酷い事をいいつつも、
腕は下ろされたので一安心だ。
「とにかく、お土産、
ありがとうございます!」
「袋、開けないんですか?」
「開けていいんですか?」
「どうぞ。ぜひ開けてください。ここで」
……何なんだろう?
とりあえず、言われたとおりにしてみる。
袋から出てきたのは……
「Tシャツですか?」
「そうですよ。他に何に見えますか?」
他の何にも見えませんよ。
えっと、つまり……
「これがアンナとお揃いなんですか?!」
「そうですよ。……ほんと、
メチャクチャ嬉しそうな顔すんなー」
若干呆れ気味に俺を見ているが、
そんなのはまったく気にならない。