俺と彼女と、ご主人様。【BL】

「えー、えー……」

「アンナ代わりに、さあどうぞ?」

そんな事言われても、困る。

戸惑っていると、島津さんが言った。


「……貴方、アンナが居ないと
 本当に普通の人ですよね」

「俺は常に常識人です!」

「ありえないから」

酷い事をいいつつも、
腕は下ろされたので一安心だ。



「とにかく、お土産、
 ありがとうございます!」

「袋、開けないんですか?」


「開けていいんですか?」

「どうぞ。ぜひ開けてください。ここで」

……何なんだろう?


とりあえず、言われたとおりにしてみる。


袋から出てきたのは……


「Tシャツですか?」

「そうですよ。他に何に見えますか?」

他の何にも見えませんよ。

えっと、つまり……


「これがアンナとお揃いなんですか?!」

「そうですよ。……ほんと、
 メチャクチャ嬉しそうな顔すんなー」

若干呆れ気味に俺を見ているが、
そんなのはまったく気にならない。

< 37 / 75 >

この作品をシェア

pagetop