俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「あ、島津さん!
これ、本物ですか?!」
「は?何。何見てるんです、か……」
俺の持っているアルバムを見て、
今度は島津さんが固まった。
「おい、何見せてんだよ!」
「いいじゃん。
広人君なんか喜んでるし」
お姉さんの言葉に彼はこっちを見た。
そこで、俺は島津さんに近寄った。
「島津さん、何で髪黒くしたんですか!」
「何でそこを責められるんですか?!」
「だって、だってこれ、
アンナと色完璧一緒じゃないですか!」
写真の中の島津さんとアンナは、
本当に、まったく同じ色をしている。
俺なんて、
この微妙に違う頭で満足してたのに!
羨ましい!
そして、もったいない!
「いや、でも、だって」
島津さんが何やら言い淀んでいる。
すると、お姉さんが代わりに口を開く。
「コイツさ、広人君にビビられたから
脱・ヤンキーしたんだよ」
「バラしてんじゃねーよ!」
なんだろう、それ。
俺には全く覚えが無い。