俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「………………」
「……?何ですか?」
怒鳴っていたのが、急に、黙り込まれた。
「普通に返事が返ってくるとは
まったく思わなかったので……」
「俺だって会話ぐらいしますよ」
「いや、だっていつもアンナにしか
話しかけないじゃないですか」
「だってそれは、俺を魅了して放さない
アンナの美貌と包容力が悪いんです!
あ、違うよアンナ!
ゴメンね、君は何も悪くないよ!」
‘悪い’という言葉に反応したのか、
彼女は頭を項垂れてしまった。
「悪いのは、君をこんなにも
完璧に作り上げた神様さ!」
「……気持ち悪いですよ」
「それか、俺と君を出逢わせた、
運命の女神のせいだね!
いや、俺はその人に感謝するべきか!
だって君と出逢えなかった俺なんて、
まな板に打ち付けられた鰻だよ!」
「何で鰻だよ!
そんで会話続けてくれよ!」
島津さんが、何か叫んでいる。