俺と彼女と、ご主人様。【BL】

「なんでですか!
 酷いじゃないですか……」

抗議するも、それを無視され
彼は俺との距離を詰めた。
……近いです。

そしてもう1度アンナを呼んで、
自分と、俺の脚の上に乗せた。

「おお!これはいいですね!」

さっきよりも、アンナとの距離も近い。
それになにより、温もりを感じられる!
2人を撫でやすいし!

「文句言ってスミマセンでした!」

そしてありがとうございます!と
彼の方を向いたら、距離が0だった。

まあつまり、なんだ?
あれだ、アンナとはよくするあれです。

彼女とのそれはむしろ舐められるというか
なんというかなんですが、
これはそうではなくて。

すぐに離れたんですが、
彼女とのよりビックリしました。
まえぶれ無いし。
いや、あったのか?

ぶっちゃけアンナしか見てませんでした。

「ごめんなさい」

「……何で謝るんですか?
 むしろ俺が謝った方がいいでしょう?」

……不機嫌だ。

「アンナしか見てなくてごめんなさい!」

「そんなのいまさらですよ」

「ですよねー」

互いにハハハと笑って、うやむやになった

が、すぐに蒸し返された。


「ぶっちゃけていいですよ。
 ……嫌でしたか?」

「別に嫌じゃなかったですよ」

そう返すと、

「じゃあもう1回」

そう言われて、再び0距離。


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