俺と彼女と、ご主人様。【BL】
そして何故俺の態度がおかしいのかは、
今日見た、夢の所為だ。
そして島津さんの所為でもある。
昨日の出来事により、
変な……つまり島津さんと俺が
あれをこうしてなにをあれして、
つまりは致しているという夢を見たのだ。
いつもはアンナの顔が真っ先に
俺の視界と脳裏に飛び込んでくるはずが
今朝はどういう訳か島津さんに目が行って
どうにも平常心を保てなかったという訳だ
……あんな夢見た俺のバカ!
アンナの夢なら大歓迎なのに!
あ、でも破廉恥なのは駄目だからね、俺。
この間、ブロンドヘアーの美女が
ひたすらに俺にすり寄ってくる夢を見たが
あれがアンナを擬人化した姿だという事は断じて無いと言える。
だって彼女はプラチナブロンドだからさ!
そんな事に脳の80%を使っている間に
いつの間にか数少ない講義も終わり、
昼食も食べ終わっていて、
今はすでに島津さんの家の前だ。
せめてもっと時間を感じていたかった!
平常心を心掛けて、チャイムを鳴らした。
「いらっしゃい」
どうぞ入ってくださいと、
いつにもまして上機嫌の島津さんに促され
彼の部屋へと足を向かわせる。
「……あの、リビングじゃあ……」
駄目なんでしょうかと言おうとすると、
「昨日の夜新しいラグと布団届いて
もうあれ捨てましたし、
換気もしましたから大丈夫ですよ」
もう香水臭くないから、と
手を掴まれて部屋へと連れ込まれた。