俺と彼女と、ご主人様。【BL】
意を決して瞼を持ち上げると、
やっぱり、予想通りにこちらを見つめる彼と視線が絡んだ。
……何か言おうにも、
今口を開ける度胸はありません。
絶対入ってくる。
とりあえず視線を横にずらすと、
掴まれていた手はいつの間にか、
繋いでいる、に変化していて
指の間に相手の指が挟まる繋ぎ方になっていた。
握ってはないから、恋人繋ぎではない。
すると俺と同じ方に視線を移した彼は、
何を思ったか指の付け根をこすり付けるように動かしてきた。
「……っ、」
くすぐったい!
そう思ったのもつかの間、
口の中に彼の舌が侵入してきた。
暫く蹂躙されいていたけれど、
やられっぱなしはどうかと思い、
空いていた片手で、ストップをかけた。
「……何?」
あ、不機嫌そうだ。
「もっとこう対等な感じにしましょうよ」
せめて優劣の無いように!と
そういう意味を込めて舌を出してみる。
そうすると、のってきた彼が
再びそれを絡めてきた。
………………。
……負けた!
経験値が違いました。
絶対この人、遊んでる。
この間の写真で、それは納得できそうだ。