貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜



「なつなぁ!!!」



教室の端で、めちゃくちゃ叫んであたしの名前を呼んでいる。


…だ、誰???



人混みでよく見えない…。

「なつっ!日向だよ!ひな!」


「ひな!」



あたしは立ち上がってひなの声のする方へ向かう。


人混みを掻き分けて、ひなを見つけて、また教室に連れ出した。


はぁはぁ…と息を切らしている。


「……あんた、マジ!?」

「……何の事…?」


「江緑の事よ!」



あ、


そういう事ね。


「話が長くなってしまうのだが…「いいから早く言いなさい!」



……はい。


話します。


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