貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
……何やら、廊下が騒がしくなってきた。
あたしはひなと顔を見合わせる。
「覚悟はできてる?夏那。」
覚悟…。
「出来てるわけないじゃん!」
覚悟だなんて…。
これからの事の始まりは、想像がついてしまう…。
女子に睨まれ、妬まれ…しまいには…ランチ…。
そんな事を!
昨日のあたしはなぜ気付く事が出来なかったのだろう!
あたしは頭を抱えてうなだれる。
「まぁ…何がそんなに夏那を悩ませるのか知らないけど、頑張ってね。いつでも見方だから。」
ひながあたしと同じ目線にしゃがんで、笑顔で言ってくれた。
「日向ぁ……」
思わず涙が出てしまう…。
「泣かないの!泣き虫!」
「うぅ……」
ひな…毒舌。