貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜



……何やら、廊下が騒がしくなってきた。



あたしはひなと顔を見合わせる。



「覚悟はできてる?夏那。」


覚悟…。


「出来てるわけないじゃん!」



覚悟だなんて…。


これからの事の始まりは、想像がついてしまう…。



女子に睨まれ、妬まれ…しまいには…ランチ…。



そんな事を!


昨日のあたしはなぜ気付く事が出来なかったのだろう!


あたしは頭を抱えてうなだれる。


「まぁ…何がそんなに夏那を悩ませるのか知らないけど、頑張ってね。いつでも見方だから。」


ひながあたしと同じ目線にしゃがんで、笑顔で言ってくれた。



「日向ぁ……」


思わず涙が出てしまう…。


「泣かないの!泣き虫!」

「うぅ……」


ひな…毒舌。


< 25 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop