貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
石のように動けないあたしに六穏時はさらなる脅しを吹き掛けてきた。
「言ったらどうなるかわかってんだろうな…?」
……わかってる。
この腹黒王子様は、とんでもないことをしれかすに違いない。
想像しただけで、震える。
「わ、わわかってるから、はい。言いません。」
やっとの思いで言ったあたしの言葉に、六穏時がクスッと笑ったのが耳元で感じた。
少し危険な状態の中でも、あたしは六穏時にイラッときてしまう。
六穏時は離れて、王子様の顔に戻った。
ニコッと笑って。
「あの……」
1人の女の子が六穏時に?話しかけてきた。
「2人が付き合ってるって…本当なの?」
女の子の問いかけに、六穏時は真剣に聞く。
そして、あたしを見る。
あたし…?
「もう、皆にバレちゃったから言っちゃっていいよね?」