貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜



そして放課後




「夏那、帰ろ。」


優しい声と、爽やかな笑顔であたしの名前を呼ぶのは、…言うまでもない。



自称悪魔……六穏時江緑。


あたしはため息をついて、立ち上がった。


「六穏時江緑。帰ろ。」



今、反抗すると後で酷い目にあいそうだ…。


あたしと六穏時が歩いていると、かなりの視線が突き刺さる。


なんで…こんなに注目を浴びるの?


六穏時って…こんな毎日を過ごしてるの?



ゆっくりしてる暇なんてないじゃん…。


六穏時も意外に大変なんだね。



「お前みたいに誰にも気にされない奴になってみたい。」


……?


「は?…あんた何言ってんの?」


なんか…あたし…


「声に出てた。大変だって。」


………!!!!


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