貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜



あたしは平然としている江緑君を見た。


「あんた、気付いてた?」

あたしの問いかけに江緑君は首を横に振る。


「知らねぇ。てか、知ってても話しかけねぇと思う。」

「なんで?」



「…関わりたくねぇから。」


……悪魔。


酷くない?


契約上、あたし彼女だよ?

まぁ…


たかが彼女

だけど…。


されど契約彼女でしょ。


「あんたは悪魔だ。」



「なんだって?」


立ち上がり、歪んだ眉を寄せながらあたしを見る。


はっ!思わず口にしてしまった一言。


ど、どどどどどどどうしよう!


ゆっくりと江緑君があたしの方に歩み寄る。


自分の顔が引きつっているのが感覚でわかる。



「悪魔って誰?あんたって俺?」


挑発的に…尚且つ、ニヤリと笑って聞いてくる。



「あの…悪魔じゃないですよね。あはっ。」


笑って誤魔化してるけれど…


怖い!


「どの口がそんな事聞いてんだよ。」


「…ど、どの口なんでしょうね……」


うわぁぁぁ……


どうしよう…



< 39 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop