貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
あたしは平然としている江緑君を見た。
「あんた、気付いてた?」
あたしの問いかけに江緑君は首を横に振る。
「知らねぇ。てか、知ってても話しかけねぇと思う。」
「なんで?」
「…関わりたくねぇから。」
……悪魔。
酷くない?
契約上、あたし彼女だよ?
まぁ…
たかが彼女
だけど…。
されど契約彼女でしょ。
「あんたは悪魔だ。」
「なんだって?」
立ち上がり、歪んだ眉を寄せながらあたしを見る。
はっ!思わず口にしてしまった一言。
ど、どどどどどどどうしよう!
ゆっくりと江緑君があたしの方に歩み寄る。
自分の顔が引きつっているのが感覚でわかる。
「悪魔って誰?あんたって俺?」
挑発的に…尚且つ、ニヤリと笑って聞いてくる。
「あの…悪魔じゃないですよね。あはっ。」
笑って誤魔化してるけれど…
怖い!
「どの口がそんな事聞いてんだよ。」
「…ど、どの口なんでしょうね……」
うわぁぁぁ……
どうしよう…