貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
悪魔の顔を目の前にして、どう言い訳をしようか考えるあたし。
時間が経つと同時に、苛立ちが江緑君の背後から気が出てきている。
「まぁいい。」
「……え?」
「次言ったら殺すから。」
何とか…終わらせたけれど…やっぱり怖い…。
ちょっと…いや…かなりのS?
この人は表裏が激しすぎる…。
少し歩いて、あたしの家が目の前に見えた。
「ココです。」
と言った瞬間に、江緑君の足がピトリと止まった。
そして、あたしの家を見上げる。
「これからは毎日帰れる。」
「へ…?」
江緑君があたしの方に振り返ってニヤリと笑う。
こ、この笑顔は…多分良い事では無さそう…。
「反対側の家、あれ俺の家だから。」
指を差して、説明をする。
あたしも視線を移す。
そこには、住宅街の桁ではない…豪邸。
しかも表札には[六穏時]の文字が…。
「良かったな。夏菜。」
カムバック!! 悪魔!!