貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜



嘘でしょ…。



いつも家を出る時はあの家が見えて、大きいなぁ…。とか思ってたけれど…。


表札まで見てなかった…。


「最…あk」

「あ゙?」

「…いえ、何でもないです。」



あ、あ危なかった…。


ギロリと睨む悪魔が目の前なんて…この先生きていけるのか…。



そう思うと、身震いをしてしまう…。


この悪魔から一刻も早く逃げないと!!!



「江緑君!! また明日ね!!!」


と言って我が家へ入って行こうとした瞬間…


ガシッと腕を掴まれて

「待て。」


「うぇ?……きゃっ。」


再び、元の場所へ戻ってしまった。



そして、一瞬の間だったけれど


江緑君と…唇が触れた。



「じゃあな、夏那。」



と…言ってこの場を去ってしまった。



その場を動けないあたしは、しばらく放心状態だった。




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