貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
あの人…絶対に怒ってる。
眉間にシワを寄せて背後から黒いオーラを漂わせて、怒ってる。
どうしよう…?
あの人がいる限り、あたしは外に出ることが出来ない。
けれど、外に出ないと、学校には行けない…。
いっそのこと走って逃げてしまおうか?
うん。
一か八かで逃げてしまえば良いんだ…。
あたしは意を決してドアノブに手をかけた。
ガチャ
透き通る空と、爽やかな風が心地よい中で…
「遅い」
やっぱり悪魔はいました。
あたしは走るのを覚悟していたのだが、この悪魔…自転車に乗っている!!!
「何分待たせるつもりだ。」
やっぱり、眉間にシワを寄せて、背後から黒いオーラを背負っている。