貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
やっばい……
どうしましょ、この状況…
「夏那、どうしたの?」
あたしの声を呼ぶ声、
聞こえる方へ顔を向ける。
「………ぃゃぁぁぁあ!!!!」
びっくりした………
「夏那はいつも明るいね。」
にっこり笑う顔は悪魔の笑顔。
天使のような悪魔の笑顔…♪
まさにこの人が見本だ。
六穏時江緑だった…。
なんでだ…?
先に行ったんじゃないの?
「どうした?早く教室行こうよ。」
悪魔があたしの手を握る。
触らないで欲しい…
と、内心…いゃ、心から思う。
「早く来い。てめぇは黙ってついてくりゃ良いんだよ。」
もちろん、こんな物騒な発言は小声だ。
……ムカつくけど、あたしが逆らえるザマじゃないよね。
「はい。」